ミキです。
34歳の私が、週に二回通うパーソナルジム。 そこで私を待っているのは、20代半ばの、彫刻のように鍛え上げられたトレーナーの彼。
「ミキさん、今日は下半身を重点的に追い込みましょうか」
爽やかに笑う彼の顔なんて、実はほとんど見ていません。 私の全神経は、彼のトレーニングパンツの奥にある、「熟成された熱い匂い」だけに集中しているんです。
……ストレッチの沈黙。至近距離で鼻を突く「新鮮なムスク」。
トレーニングの仕上げ、マットに横たわった私を、彼がストレッチしてくれます。 私が仰向けになり、彼が私の足を抱え込むようにして体重を乗せる。 その瞬間、彼の股間と私の顔の距離は、わずか十数センチ。
「……っ」
激しいセッションを終えたばかりの彼の体温が、ウェアを突き抜けて伝わってくる。 そして、そのスウェットの生地の奥から、 蒸気と一緒に立ち昇る、少し汗ばんでムレた、濃厚な「雄の匂い」。
それは、不潔な臭いとは無縁の、生命力そのものが凝縮されたような、重たくて甘いムスクの香り。 鼻腔をその匂いが通り抜けた瞬間、私の頭はぐわんと音を立ててくらくらと揺れ、 視界がチカチカと火花を散らす。
「ミキさん? 呼吸、止まってますよ。リラックスしてください」
そう言って彼がさらに深く踏み込んだとき、彼の中心が、私の鼻先に触れんばかりに迫る。 私は我慢できずに、深く、肺の奥が痛くなるほど、彼の「本性」の匂いを吸い込んでしまいました。
……鼻腔から脳へ。理性を焼き切る「支配のプレビュー」。
(……ああ、すごい。この人の匂い、なんて支配的なの……っ)
その鮮烈な匂いが脳のスイッチを直接叩き、 私の意思とは関係なく、タイトなトレーニングレギンスの中は、一瞬で熱い蜜の「洪水」に見舞われました。
歩くたびに、ナカから溢れ出した液体がレギンスに吸い込まれ、 冷たい空気に触れて、さらに私の感覚を研ぎ澄ませていく。
ストレッチの最中、私は彼の目を見つめるふりをしながら、 心の中では、今すぐこの場で彼を押し倒し、 そのズボンの中に子豚のように鼻を突き入れ、その熱い肌に直接鼻腔を擦り付けたいという衝動に駆られていました。
……喉の奥で、その「匂い」を独り占めする妄想。
私の手は、彼の逞しい太ももを支えるふりをして、 そのすぐ横にある「熱源」の膨らみを、指先で感じ取ろうとしてしまう。
もし、このまま個室の鍵を閉めて、 この強烈な匂いの源を、私の喉の奥深くまで受け入れることができたら……。 鼻から抜ける彼の香りと、口内を満たす「雄の味」を同時に味わえたら、 私はどんなに幸せな絶頂を迎えられるだろう。
そんな不謹禁な妄想で頭がいっぱいになり、 私の身体は、彼に触れられている場所からドロドロに溶け出していくようでした。
パーソナルトレーニングが終わった後、トレーナーの彼は「次の準備をしてきますね」と言って、少しの間だけ個室を離れました。
その時、私の目に飛び込んできたのは、カゴの中に無造作に放り込まれた、彼が先ほどまで着ていたグレーのトレーニングシャツ。 彼の激しい動きを支え、その逞しい肉体に密着していた、汗と熱の結晶。
「……はぁ、……っ」
辺りに誰もいないことを確認すると、私は吸い寄せられるようにそのカゴへ歩み寄りました。
……シャツに鼻を埋め、肺の奥まで「彼」を強奪する。
私は震える手でそのシャツを掴み取り、迷わず顔を埋めました。 特に、彼の脇や胸、そして一番強く匂い立つ「裾」の部分。
そこからは、石鹸の香りなんて一切しない、むせ返るような強烈な「雄のムスク」が立ち昇っていました。 少し酸味のある新鮮な汗の匂いと、彼の肌そのものが持つ、重たくて甘い体臭。
その香りが鼻腔を抜けた瞬間、私の頭はぐわんと音を立ててくらくらと揺れ、脳の芯が痺れるような衝撃が走りました。 まるで、彼自身がそこにいて、私を力強く抱きしめているような錯覚。
私は子豚のように、シャツの生地に鼻をぐいぐいと擦り付け、彼の生命力を最後の一滴まで吸い込もうと、何度も、何度も、深く肺の奥まで吸い込み続けました。
……嗅覚の絶頂。レギンスをずらし、自らを「洪水」に沈める。
鼻から注ぎ込まれる彼の「支配的な匂い」に、私の理性は一瞬で決壊しました。 もう、立っていられません。
私はシャツに顔を埋めたまま、壁に背中を預けて床に崩れ落ちました。 空いている方の手で、汗ばんだトレーニングレギンスを強引に引き下げ、すでに熱い蜜で「洪水」状態になっている場所へ指を沈めます。
鼻腔を支配する彼の匂いと、ナカをかき回す自分の指。 目を閉じれば、今すぐこのシャツの主が戻ってきて、私をこのままめちゃくちゃに犯してくれる光景が、鮮明な映像となって脳内に溢れ出します。
「あ、っ……はぁ、……っ! すごい、匂い……っ!!」
彼のシャツを口に咥え、その味と匂いを同時に噛み締めながら、私は腰を激しく振りました。 嗅覚が引き出す快感は、直接的な愛撫よりもずっと鋭く、私の奥底を激しく突き上げてくる。
……臨界点。匂いの中で果てる、孤独な絶頂。
(……もう、ダメ、いっちゃう……っ!)
彼の最も濃厚な匂いがする部分に鼻を押し付け、思い切り吸い込んだ瞬間、私は全身を激しく反らせて絶頂を迎えました。 ナカから溢れ出した洪水が指を伝い、床に一滴、落ちる音が聞こえた気がした。
視界が真っ白になり、呼吸が整わないまま、私はしばらくその場から動けませんでした。 手の中にあるシャツは、私の涙と鼻息でさらに湿り、より一層、生々しい「彼の匂い」を放っていて。
……日常の仮面を、もう一度。
彼が戻ってくる足音が聞こえた時、私は電光石火の速さでレギンスを整え、シャツをカゴに戻しました。 鏡に映った私は、髪が少し乱れ、頬が異様なほど上気している。
「ミキさん、お待たせしました。……おや、少しお疲れですか?」
「……ええ、ちょっと、頑張りすぎちゃったみたいで」
私はいつもの「綺麗な奥様」の笑顔でそう答えました。 でも、私の鼻腔にはまだ、彼のあの重たいムスクがこびりついているし、 私のナカは、彼への渇望でまだドロドロに溶けたまま。
34歳の冬。 夫の知らない場所で、私はこうして一匹の「匂い中毒の獣」として、 誰にも言えない秘密の快楽を積み重ねていくのです。

